戦後はたえて久しくなりましたが、
古来、つつがなく田植えを終わった大和の農家では、 さなぶり餅を搗いて田の神に供え、 ともどもに畔道で食して喜んだ習慣がございました。 ところで、この「さなぶり餅」は糯米(もちごめ)の餅ではなく、 正真の小麦餅で、独特の舌ざわりはえもいえず、 ありし日の、旅の僧や俳諧師もその風味と野趣を賞味したと、 これは在所々々の故老の話でございますが、 今日、ほんもの志向がいわれる折柄、 当然ながら小麦餅復活を強く求める方々が多くなりました。 そこで私どもではそれにお応えし、 大和国ン中(くんなか)の名物に仕上げんものとの微衷で、 つぶし小麦やきな粉などに破格の超一級を用い、 製法の苦心を重ねました結果、 往時をはるかに凌駕する本品を精製することができました。 百パーセントの手作りでございます。 美味絶佳、郷愁喚来と、お陰さまでご好評をいただいております。 お茶うけなどに今後とも末長くご愛顧賜りますよう、 お願い申し上げます。 |